GPU計15製品で実行するPC版「Grand Theft Auto V」ベンチマーク。最高設定で快適に動かすためのキモはグラフィックスメモリだ

アラド戦記 RMT

Rockstar Gamesの人気クライムアクションシリーズ最新作となるPC版「Grand Theft Auto V」(以下,GTAV)が,2015年4月14日に発売となった。推奨GPUは「GeForce GTX 660」もしくは「Radeon HD 7870」(以下,HD 7870)と,十分に高いのだが,実際にプレイしてみると,発売前からアピールされていた「PC版ならではのグラフィックス」を実現しようとした場合,推奨GPUでは“足りない”と思った人もいるのではなかろうか。

PC版GTAV。PC版ならではのポイントはハンズオン記事を参考にしてもらえればと思う
Grand Theft Auto V


 では,どのクラスのGPUなら“足りる”のだろう? 今回は,PC版ならではのグラフィックス品質設定に軽く触れつつ,シングルGPU仕様のグラフィックスカード15製品を用いて,GTAVを高いグラフィックス品質でプレイするために必要なGPUは何かを探ってみたい。


ミドルハイクラスかそれ以上のGPU

合計15製品でGTAVをテスト

 

Grand Theft Auto V

 さっそく,テストの構築に入ろう。今回は,シングルGPU仕様で快適なゲーム環境を探るべく,シングルGPU環境で快適性を望むのは難しいと推測される4K解像度を外すこととしたうえで,なるべく現行の,ミドルハイクラス以上のグラフィックスカードでまとめてみた。具体的には,GeForceが「GeForce GTX 760」から「GeForce GTX TITAN X」までの10製品,Radeonが「Radeon R9 280」から「Radeon R9 290X」までの5製品である。このうち一部の製品は,メーカーレベルで動作クロックが引き上げられているため,MSIオーバークロックツール「Afterburner」(Version 4.1.0)を使って,動作クロックを引き下げた次第だ。

 ただし,GIGA-BYTE TECHNOLOGY製の「GeForce GTX TITAN Black」カード「GV-NTITANBLKGHZ-6GD-B」だけは,Afterburnerを用いても動作クロックをリファレンス相当の889MHzまでではなく,901MHzまでしか引き下げることができなかったため,今回は901MHzでテストを行う。以下,本稿ではGPU名を「GeForce」「Radeon」省略で表記するが,GTX TITAN Blackだけは「GTX TITAN Black@901MHz」(※スペースの都合でグラフ中は「GTXTB@901MHz」)と表記するので,この点はあらかじめお断りしておきたい。

 テストに用いたグラフィックスドライバは,GeForce用が「GeForce 350.12 Driver」,Radeon用が「Catalyst 15.4 Beta」となる。いずれも,GTAVへの最適化が謳われたものだ。いずれもその後,より新しい「GeForce 352.86 Driver」「Catalyst 15.4.1 Beta」がリリースされているが,テスト開始タイミングの都合上,今回はGTAV最適化の謳われたドライバで統一しているので,この点もご了承のほどを。

 そのほかテスト環境はのとおり。CPUの自動クロックアップ機能である「Intel Turbo Boost Technology」は,実際のゲームプレイ環境を想定し,有効のままにしている。